投稿日:2016年9月8日|カテゴリ:院長ブログ

糖尿病と歯周病の関係について その2


治田歯科医院の糖尿病と歯周病の関係について

こんにちは。治田歯科医院の医院長の治田です。今日は前回に引き続き糖尿病と歯周病の関係について書いてみます。

前回書きましたように、糖尿病が悪化すると歯周病も悪化し、歯周病が悪化すると糖尿病も悪化してしまうことが分かっています。

 

何故お互いを悪化させてしまうかというと、歯周ポケットに歯周病菌が溜まってしまうと免疫細胞である白血球が菌を退治しに集まってきます。この時白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることである物質を放出するのです。この物質はTNF―αと呼ばれる物質です。そしてこのTNF―αには血液中のインスリンの働きを妨げてしまう作用があるのです。つまり歯周病でTNF―αを多く放出している場合、インスリンの働きが低下して糖尿病が一気に進行してしまうことがあるのです。

 

そして糖尿病が進行すると当然、血糖値が高くなり、今度は歯ぐきの毛細血管の血流が悪化し、歯ぐきの血行が悪くなり、白血球が歯周病菌を退治できなくなってしますのです。こうして歯周病による歯ぐきの炎症が悪化するにつれて、さらにTNF―αが多く放出され糖尿病もますます悪化してしまい、この悪循環を繰り返していくうちに、ついにはわずか半年で重度の糖尿病で倒れてしまうことがあるのです。

滋賀医科大学付属病院の糖尿病内科を受診した133人患者さんの93%が歯周病だったというデータがあります。一方、同付属病院が同時期に一般住民を対象にした調査では歯周病は47%でした。糖尿病と歯周病には、このように密接な因果関係があるので、糖尿病の治療を一生懸命していたのにもかかわらず改善しなかったのに、歯周病の治療をしたら急激に糖尿病が改善されたというケースも沢山見られるのです。

<<<(糖尿病と歯周病の関係について その1)