投稿日:2013年8月12日|カテゴリ:話題の最新歯科情報
歯周病って命にかかわる?

歯周病は歯と歯茎の境目の溝(歯周ポケツト)に歯周病菌が歯垢(プラーク)や歯石となって増殖することにより、その毒素で歯周組織が破壊される病気です。近年の日本歯周病学会の調査では、虫歯よりも歯周病で歯を失う人のほうが多いこがわかっています。そして歯周病は今や成人の8割がかかっている国民病ですが、最近では歯周病が全身の健康と深くかかわっていることがわかっています。

とりわけ血管との関連が重要視されています。人は血管とともに老いるといわれ、加齢により血管がうまく広がらなくなり高血圧になったり動脈硬化になったりします。その血管の老化が歯周病を促進することがわかってきました。血管が老化することにより歯周組織の老化も進み、歯周病菌に対する抵抗力が落ち、歯周病菌が増えやすい状態になるのです。

また、歯周病も全身に悪影響を与えることもわかってきました。歯周病菌が出すある種の酵素は、血管に入ると血液を固めやすくしてしまい、その結果として動脈硬化を促進し、血の固まり(血栓)ができやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞を招いてしまうおそれがあるのです。

今年イギリスの医学雑誌に、歯周病を治療すると、半年後に血管が非常に柔軟性をまして、うまく広がるようになったというデータが紹介されました。つまり歯周病の治療は血管の柔軟性を取り戻すために重要で、他の生活習慣病と同様に早くから対応しなければいけないということを示唆しているのです。

このように、口の中の健康は、血管の健康、ひいては全身の健康につながっているのです。