投稿日:2017年1月4日|カテゴリ:院長ブログ

入れ歯の歴史 その8


入れ歯の歴史

こんにちは。治田歯科医院の治田です。今回も、歯が無くなってしまった時に入れる、入れ歯の歴史について書きます。

 
 前回は、入れ歯の歴史において、西洋の入れ歯より技術的に300年も進んでいた日本の入れ歯を作っていた当時の「入れ歯師」について書きました。今回もその続きです。

 「入れ歯師」は、入れ歯作り専門でした。

 歯を抜いたり虫歯などの治療を行う者のことは「口中医」や「歯医者」と呼ばれ、「入れ歯師」とは区別されていました。「入れ歯師」は香具師(てきや・やし)の組織に属していました。

 当時の歯医者さんである「口中医」は、一般医学を修得して、口腔疾患や咽喉疾患が中心で、抜歯も行っていましたが、義歯を作ることはありませんでした。

 「入れ歯師」が「口中医」と全く違うところは、医学的専門教育を全く受けていなかった点です。「入れ歯師」は親方に弟子入りをし、修行をしていたのです。これは、仏師などの流れが影響していたのかもしれません。

 ですから、彼らの技術は、修行で身に付けた知識と経験によるもので、秘伝ともいえるものだったのです。

 室町末期から江戸初期に台頭してきた「入れ歯師」は、江戸中期頃には、広く全国で営業するようになり、「口中医」にかかれない庶民に親しまれた大衆的な存在になっていたそうです。下は当時の「へたな入れ歯師」の絵です。

(その9に続く)