投稿日:2016年12月27日|カテゴリ:院長ブログ

入れ歯の歴史 その5


入れ歯の歴史

こんにちは。治田歯科医院の治田です。
今回も、歯が無くなってしまった時に入れる、入れ歯の歴史について書きます。

 
 前回は、入れ歯の歴史において、ヨーロッパで最初に作られた、バネの力を応用した入れ歯について書きました。

 実はこのバネの力を応用した入れ歯は、アメリカ初代大統領ジョージ・ワシントン(1732~1799)も、使っていました。前回のバネ式の入れ歯の写真はワシントンの入れ歯です。

 ジョージ・ワシントンは入れ歯に悩まされていました。彼は歯が悪く、28歳で部分入れ歯を使い始め、大統領になった時には、下の1本の歯(小臼歯)しか残っていなかったといいます。

 写真の入れ歯は、ワシントンが、歯科医ジョン・グリーンウッドに4回入れ歯を作ってもらった最後の入れ歯です。歯の部分は、象牙の歯になっていました。

 スプリングで維持する入れ歯は、うっかりすると口から飛び出してしまうため、しっかり噛んで口元を閉めておかなければなりませんでした。

 一見威厳があり引き締まった表情のアメリカの1ドル紙幣にあるワシントンの口元は、実は入れ歯を噛んで緊張した口元です。彼は入れ歯のためか、晩年は怒りっぽく、演説も避け、人に会うのも嫌がったのだそうです。

(その6に続く)