顎関節症について その9
こんにちは。治田歯科医院の治田です。
今回も前回に続いて最近増加している顎関節症について書きます。
前回は顎関節症の治療法のうちのマニピュレーション法について書きました。今回は顎関節症の治療法の外科手術ついて書きます。
外科的手術
薬物療法や運動療法やスプリント療法やマニピュレーション法などを3~6ヶ月行っても症状が改善しない場合には、歯科病院での顎関節の外科的手術の治療が必要となる場合があります。
顎関節症の外科的手術とは、顎関節を構成する下顎頭洗浄手術や、元来骨の形などに異常が見られる場合や骨が変形してしまった場合に、顎関節を構成する骨を切り取る、いわゆる“骨きり”手術のことを言います。ただ、顎関節症はなくなりますが、場合によっては顔面神経麻痺などの副作用が起こる可能性があります。
ただし、外科的手術が必要となるのは全顎関節症の患者さんの2~4%ほどで、残りの95%以上の患者さんは外科的手術無しで症状が改善します。
顎関節症の外科的手術は通常、数日間の入院が必要となり、多くの場合は全身麻酔により手術を行います。 そして、手術後も薬物療法や運動療法やマニピュレーション法などがリハビリテーションとして必要になります。
顎関節症は、放置しておくと先に書いたように、全身症状へと進んで行く可能性がありますので、早めに治療することをおすすめします。
また、噛み合わせが悪くなっていることが顎関節症の原因になっていると歯科医師が判断した場合には、被せ物や部分入れ歯などの調整や再治療、または矯正治療を提案される場合もありますが、最近の研究からは噛み合わせ自体と顎関節症の関連性はほぼ否定されています。