投稿日:2016年11月18日|カテゴリ:院長ブログ

親知らずについて その9


親知らずについて

こんにちは。治田歯科医院の医院長の治田です。
今回も前回に引き続き、皆さんも持っている方の多い、親知らずについて書いてみます。

前回は親知らずでも、抜かないで残しておいた方が良いケースについて書きました。

ここまでご説明したことでお分かりいただけたと思うのですが、親知らずというのは、ほとんどの場合、抜いた方が良いケースで、保存しておいて方が良いケースのほうが明らかに少ないのです。

それなのに何故親知らずは存在するのでしょうか?

その理由は、人類の発生と進化に由来します。人類は、その昔「猿人」でした。猿人たちは、現代人のように食べ物を食べやすく調理して食べていたわけではなく、骨付きの肉や皮付きの木の実をバリバリ食べていたので、現代人より顎の発育が良くて大きく、野生の食生活には歯も全部で32本必要でした。

現代人は文明の発達により、そのように硬い食べ物を食べなくなっていったので、進化の過程で猿人たちより顎の発育が悪く小さくなってしまったのですが、歯の数は減らなかったのです。顎が小さくなってしまったため、収容できる歯の本数は28本程度になってしまったのに対し、歯の数は発生学的に32本のままできてきてしまうのです。

(その10に続く)