投稿日:2016年9月14日|カテゴリ:院長ブログ

歯の咬み合わせは、体に意外な影響を与えます


歯の咬み合わせ

こんにちは。治田歯科医院の医院長の治田です。
今日は歯の咬み合わせは、体に意外な影響を与える事について書こうと思います。

はっきりした原因がないのに、イライラしているとします。けれども多くの人は、「ストレス社会だから」といった答えを自分で決めつけてしまっているのではないでしょうか。

原因不明の頭痛や肩こりを治療するため、あちこちの病院で検査を受けたものの、特に悪いところが見つからない人もいらっしゃるでしょう。

原因がわからない場合、「自律神経失調症」という病名がつくことがあります。このような体の不調や違和感の原因が、実は歯の咬み合せ(咬合と言います)が引き起こしているとしたらどうでしょう?「なんだ、そんなことが原因だったのか!」と少しは安心されるのではないでしょうか。咬合が悪ければ、思いのほか多くの病気を引き起こします。一度は歯科で咬合の検査をしてみてはいかがでしょう。

咬み合わせが悪いことで引き起こされる病気はこんなにもあります!


歯の咬み合わせ

咬合が原因となっている症状のうち、典型的なものは頭痛と肩こりでしょう。そして症状が悪化すると顎関節症を引き起こすこともあります。顎関節症の3大症状は口を開いたときの痛み、口があまり開かない、口を開いたときに雑音がするですが、ひどくなると目まい、耳なり、手のしびれ、眼の疲れ、さらには不眠症の原因となっている場合もあります。またここに挙げた病名はほんの一例にすぎません。

つまり咬合が悪ければ、身体のさまざまな部分まで悪影響を与え、ここには列挙できないほどの病気を誘引していると言われています。もちろんすべてのケースが咬合に起因しているとはいえません。けれども長い間原因不明の症状で苦しんでいる人は、歯科で咬合について診断してもらうのも選択肢の一つになると思います。

咀嚼(そしゃく)と筋肉の関係を考える


歯の咬み合わせ

顎を動かす筋肉のことを咀嚼筋と言い、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類に分類されます。この筋肉は頭蓋骨の中にあるもっとも大きな神経系である三叉神経の支配下にあり、体の重要な部分に及ぼす影響も他の筋肉より多くなります。もちろん脳の働きにも影響を与えています。

咀嚼筋の一つである側頭筋に過度な負担がかかると頭痛の原因になります。このように咬合が悪くなることによって、筋肉に余計な負担をかけることが不定愁訴を誘発する原因になるのです。もちろん咬合がすべての原因になるわけではありません。そこはくれぐれも誤解をしないでください。

咬合を維持・改善する方法とは?


歯の咬み合わせ

咬み合わせを改善するとしたら、すぐに思いつくのが歯列矯正だと思います。けれども、矯正には時間もかかりますし、保険が適用されないことが多いので、費用が心配な方もいらっしゃるでしょう。そこで矯正よりももっと簡単な対処方法をいくつかご紹介しましょう。

咬み合わせが悪くなる大きな原因としてブラキシズム(歯ぎしり)があります。個人差もありますが、ブラキシズムによって歯に加わる力はなんとその人の体重以上!咬み合わせどころか、歯が割れてしまうことすらあるのです。それを防ぐため、就寝時にナイトガードというマウスピースを使用するのが効果的です。


歯の咬み合わせ

あとはすり減ってしまった歯の一部をレジンと言われる樹脂で充填したり、型を採って詰め物をして元の形を再現することができます。この治療は30分くらいしかからず、中にはこれだけで咬合が改善される場合もあります。

レジンや詰め物だけでは歯の形態を正常に戻せないこともあります。けれども矯正をする余裕のない方には、クラウンというかぶせ物で咬合を改善することも可能です。

これらの治療法はあくまでも症状によって応用可能なものとそうでないものがありますので、どの方法がご自分に適しているかは歯科医にご相談していただければと思います。

原因不明の不定愁訴で悩まれている方がいるとしたら、歯科で咬み合わせについて相談されるのも選択肢の一つなのです。