投稿日:2013年8月12日|カテゴリ:話題の最新歯科情報
歯科の無痛治療:治田歯科医院

皆様が歯科に行きたくない理由として、最も多いのは治療が痛いからということだと思います。どうしても歯の治療には、痛みを伴うと思っている患者さんがほとんどですが、実際にはそんなことはなく、痛みを伴わない無痛の場合もたくさんあります。

最近では歯科の「無痛治療」という言葉をよく耳にされると思います。無痛治療と一言で言っても様々な考え方があります。歯科医師によっては、本当の無痛治療とは、歯の体の気持ちに耳を傾けながら掛け替えのない歯を大切にし、体のバランスを崩さない様に慎重に治療する事であると提言します。しかし、それは治療の取り組み方としては素晴らしいのですが、現実問題として、痛みを伴って来院された患者さんにとっては非現実的で困難なことでしょう。また、一般的な切削器具を使わずに、麻酔をせずに行う無痛治療としては、微細な粉を高圧で虫歯に吹き付けて虫歯や歯を削っていくエアーアブレーションという方法や、レーザーを照射して虫歯を蒸発させ、詰めもので穴を塞ぐ方法や、初めに少しだけ切削器具で削り、後は薬で虫歯を溶かして、少しずつ専用の道具で耳掃除のように虫歯を少しずつ掻き出していくカリソルブーという方法などがありますが、いずれも深い虫歯には適応できず、小さな虫歯のみが対象となり、通常の治療よりも時間と費用がかかる場合が多いです。それに小さな虫歯であれば一般的な切削器具を使ってもほとんど痛みが出ることはありません。また、歯科の治療は虫歯だけではなく、歯周病の治療もあるので、やはり治療が痛くないように、しっかり麻酔をして治療するということがもっとも有効な無痛治療であると思われます。

しっかり麻酔をして無痛治療を行えるように最近は数々の工夫がなされています。まず麻酔の針は世界で最も細いクラスの針を使用します。針は細ければ細いほど注射するときに痛くないのですが、麻酔薬を入れにくくなりますので、電動注射器を使用します。また電動注射器は非常にゆっくりの速度で麻酔液を注入できるので、痛みが出ません。無痛治療で使用する針は、一般に採血などで使用する針先の太さの3分の1です。面積ではたったの10分の1以下でこれ以上の細い針はありません。また、局所麻酔を行う際の、針を刺すポイントの粘膜にゼリー状の麻酔薬を塗布し、感覚を鈍化させる方法を併用してさらに痛みのないように麻酔をします。その上に麻酔液を人間の体温と同じ温度に暖めておいて、麻酔液と体温の温度差による刺激をなくすることによっても無痛を心がけます。

それでもまだ針を刺される不安や治療に対しての不安があって心配な方は、注射麻酔と併用する形で不安な気持ちを取り除くために笑気吸入精神鎮静法(笑気ガスを吸入していただいてリラックス状態になります。例えば、お風呂で湯船に漬かっている時のような気持ちいい感じです)という方法を併用して
、リラックスした状態 になっていただき、治療にともなう不快な痛みや音などがあまり気にならない状態の中で治療を進めます。

治田歯科医院でももちろん、このようなことは全て行って、患者さんの麻酔時の痛みをほぼ無くすことに対してかなり気を配っています。

最近は針のない麻酔法もあります。無針注射器の中で有名なのは「シリジェット」という装置ですが、これは強力なスプリングで麻酔薬を噴出させることによって歯肉約1mmまで麻酔液を到達させる方法です。しかし麻酔時に至近距離で水鉄砲を撃たれたような感覚があり、人によってはそれを痛みとして感じることもあるので、完全に無痛というわけではありません。針が付いていないので注射に対する恐怖感は大きく軽減されると思いますが、麻酔が不十分なことが多く、結局針のある麻酔を追加することが必要となるケースが多くなってしまいます。歯科の無痛治療:治田歯科医院

すでに痛くなった虫歯や大きく深い虫歯の無痛治療をするためには、どうしても注射麻酔を行なうことになります。小さい虫歯であれば、さまざまな無痛治療システムを用いなくても、また注射麻酔なしでも、痛みがなく治すことが可能です。特に子どもさんの場合は、小さい虫歯もすぐに大きくなってしまうため、早期に発見して治療してあげることが後で大変な思いをしなくても済むことにも繋がります。そのためにも歯科医院で定期健診を受けて、少しでも虫歯の予防や早期発見を心がけましょう。